「二拝二拍手一拝」は正式参拝の作法です。
「二礼」は深い礼(90度)で、
「拍手」は2回で、
最後にもう一度一礼をします。
「立礼」でも「座礼」でも同じ方法です。
但し、神社によっては作法は異なり、
例えば、出雲大社や宇佐八幡では、「四拍手」します。
「二拝」のうち、
前の礼を浅く、後の礼を深くするよう定める神社もあります。
また、伊勢神宮に奉仕する神職は、
「八度拝八開手」(はちどはいやひらで)と言って、
拍手と拝礼をそれぞれ8回行う、神宮独自の作法で行います。
参拝の動作の中で、「礼」は勿論のこと、
「拍手」(かしわで)の仕方にも作法があります。
「拍手」(はくしゅ)とは、左右の手を叩き、音を出すことです。
叩く前に手を合わせ、右手を少し下げてから叩くと、
気持ちの良い音がします。
音を出す理由は、
神への感謝や喜びを表すため、
願いを叶えるために神を呼び出すため、
邪気を祓うためと言われています。
「拍手」にも、
「忍手」(しのびて)とか「礼手」(らいしゅ)と言った作法があります。
「忍手」(しのびて)は、
日本固有の宗教である神道の葬儀である
「神葬祭」(しんそうさい)などの時に行う拍手で、
音を立てないやり方です。
「礼手」(らいしゅ)は、
祭りの終了後に、神前に供えた御饌御酒(みけみき)を
神職をはじめ参列者の方々で戴く「直会」(なおらい)の
膳をいただく時などに打つもので、通常は1回だけ手を打つものです。
「拍手」は日本古来の拝礼作法の一つで、
神様や貴人を敬い拝む時に用いられてきました。
3世紀の『魏志倭人伝』には、
日本人が高貴な人に対して手を打って敬意を表していたことが
記されています。
元々「拍手」は、喜びの感情を表すものです。
そこから、
天皇を始めとする高貴な人に対する時の喜びを表す自然な表現が、
敬礼の作法として定着したと考えられています。
そして、神は天皇を凌ぐ高貴な存在であるため、
神前で拍手を打つということが、神社参拝の作法となったのです。
古い文献には、
平安時代、宮中では大陸との交流によってこの作法は廃れたとあります。
しかし、神様を拝む際にはずっと「柏手」が用いられ続けています。
現在でもよく行われる「一本締め」や「三本締め」なども、
神前での拝礼の作法に由来するものです。
一つのことが成就したことを神に感謝する意味が込められています。