神前結婚式(しんぜんけっこんしき)

 
神職が立ち会い、厳かな雰囲気の中で行われる
「神前結婚式」は明治時代に入ってから
始まりました。
明治33(1900)年に、
日比谷大神宮(現・東京大神宮)で行われた
皇太子・嘉仁親王殿下(後の大正天皇)と
公爵・九条道孝氏の令嬢、節子さまの
ご成婚の慶事が起源とされています。
一般に広まったのは、第二次世界大戦後でした。
それまでの日本の結婚式は、新郎の自宅に
身内の者が集まり、床の間に祀られた
神様の前で行う形でした。
 

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神社で結婚式を挙げるということは、
お互いに盃を交わす
「三三九度の儀(三献の儀)」や、
「玉串拝礼」などの儀式を通じて、
自分の命、
今までの二人の人生を支えてくれた人々、
そして二人が出逢えたご縁に感謝し、
神様の見守る前で「永遠の愛」を誓い、
この先の人生を二人で歩んで行くことを
神様に報告するということ。
 
「神道=日本人のこころ」を大切にし、
結婚する二人の心と心、
そしてご家族同士の心と心を繋ぎ、
夫婦として新たな出発を誓います。
数多くある人生儀礼の中で唯一、
二人で行なう儀式です。
 
◆こんなカップルにオススメ
  • 「結婚」は二人だけの問題ではなく、
    「家と家が結びつくこと」と捉えている
  • 挙式では、二人で執り行う儀式を通して
    夫婦の絆を深めていきたい
  • 日本人として、日本の古式ゆかしい
    伝統的なスタイルを大切にしたい
 

神前式が行われる場所

 
「神前式」と言っても、神社でしか行わない訳
ではありません。
専門式場やホテルの中には館内に神殿を設けて
いるところが多く、そこに神主が出向いて
式を行ってくれます。
 

 
また、神前式は親族しか列席出来ないものと
思われがちですが、収容人数に問題がなければ
友人や知人の列席が出来る会場もあります。
ホテルや専門式場の神殿は
スペースが限られている場合があるので、
多くの人に列席してもらいたい場合は、
事前に挙式に列席出来る人数を聞いておくのが
おススメです。
 

新婦の衣装

和装を着たいという理由で
神前式を選ぶ花嫁も多いかもしれません。
新婦の和装は、白無垢が多いものの、
色打ち掛けや黒引き振り袖などでもOKです。
新郎も新婦に合わせて正装を身に着けます。
 
白無垢(しろむく)

「白無垢」(しろむく)は、
一番上に掛ける着物「打掛」(うちかけ)
打掛の下に着る振袖「掛け下」(かけした)
その他の小物類も全て白で統一され、
最も格式高い花嫁衣装とされています。
古来日本では「白」は神聖な色とされており、
平安朝以来、花嫁衣裳に純白が貴ばれるように
なりました。
ただ最近では、「白無垢」に色を合わせる
コーディネートなども主流になってきました。
合わせる髪型は、本来はかつらや日本髪ですが、
最近では洋髪を合わせる方が多いです。
 
「色打掛」(いろうちかけ)

「色打掛」は、内側に着用する着物より
一回り長めの丈に仕立てられています。
また、裾には「ふき」という綿を入れて
厚みを出した部分があります。
この「ふき」を特に厚く仕立てることで、
強化遠近法の応用で、
実際よりも身長を高く見せる効果があります。
刺繍や絞りの他、摺箔、縫箔などをあしらって、
衣装全体に絵画を描くように模様をあしらった
日本の伝統技法の粋を極めた日本を代表する
お着物の一つです。
 
引き振り袖

引き振袖は、未婚女性の正礼装であるため、
着る機会は結婚式が最後となることもあり、
引き振袖を婚礼衣装として選ぶ花嫁も
多いようです。
おはしょりを作らず、裾を引くようにして
振袖を着ます。
「お引きずり」とも言われる衣装です。
黒地に華やかな模様を施した黒引き振袖が、
気品のある雰囲気で特に人気があります。
 

新郎の衣装

日向五つ紋付羽織袴
(もんつきはおりはかま)

「日向五つ紋付羽織袴」(もんつきはおりはかま)
男性の和装の第一礼装です。
結納や結婚式、式典などで用いられる正装です。
黒が一般的ですが、最近では
白やグレーなどのデザインも出ています。
 

神前式の流れ

神社で行われる神前式は、入退場を合わせて
30分程度です。
神主が斎主として式を執り行います。
神道を信仰しているかどうかによらず、
基本的には誰でも挙げることが出来ます。
 
1.参進(さんしん)
手水(てみず・ちょうず)でお清めした後、
雅楽の調べと共に、新郎新婦、両家両親、
親族の順に並び、本殿へと向かいます。
新郎は紋付袴、新婦は白無垢や振袖といった和装を身にまとい、赤い毛氈(もうせん)
進む花嫁行列。
結婚式に相応しい厳かな雰囲気です。
 
2.着座
神様の近くである拝殿に着席します。
神様から見て左側に新郎、右側に新婦が座ります。
 
3.修祓(しゅばつ)
神職によって祓詞(はらいことば)があげられ、参列者が祓い清められます。
 
4.斎主一拝(さいしゅいっぱい)
結婚式の始まりに際し、斎主を筆頭にして
全員が起立し、拝礼します。
 
5.献饌(けんせん)
神様の召し上がり物として、米やお神酒、
水や塩、山の幸・海の幸と神様が喜ばれる
ものを捧げます。
 
6.祝詞奏上(のりとそうじょう)
神様に結婚をご報告、そして末永く幸せで
あることを願い、斎主が祝詞を奏上します。
 
7.三献の儀(さんこんのぎ)
新郎新婦が盃を交わし、夫婦の契りを結びます。
同じ盃からお神酒を呑むことで、夫婦として固く結ばれるのです。
盃は3種類大・中・小があり、
小は「過去」、中は「現在」、大は「未来」を表すとも言われています。
 
8.誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎新婦がこれから夫婦として歩んでいく
誓いの言葉を奏上します。
 
9.神楽奉奏(かぐらほうそう)
神様に舞を捧げて喜んでいただき、より一層祝福してていただくために、巫女が舞を捧げます。
 
10.玉串拝礼(たまぐしはいれい)
これから二人が「夫婦として共に人生を歩んでいく決意」を託し、玉串を奉納。
玉串は、葉と葉が寄り添うように置くとよいでしょう。
思いを揃えて、二人揃って二拝二拍手、
内回りで戻る一歩が夫婦としての第一歩となります。
 
11.指輪交換(ゆびわこうかん)
巫女が指輪を運び、新郎が新婦の左手薬指に、新婦が新郎の薬指に、指輪をはめます。
 
12.親族盃の儀(しんぞくさかずきのぎ)
両家の親族一同で、盃に注いだお神酒をいただくことで、両方の家族が一つに結びつきます。
 
13.撤饌(てっせん)
神様に捧げたご馳走をお下げします。
 
14.斎主一拝(さいしゅいっぱい)
結婚を祝福して下さった神様に、斎主に合わせて一同で起立し、拝礼します。
 

5/10「神前結婚式」

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