お宮参りの衣装

 

赤ちゃんの祝い着

正式な赤ちゃんの祝い着は、
男の子の場合は、
黒・紺などの「熨斗目模様」(のしめもよう)に、
男の子らしい強さ・逞しさの象徴でもある
「龍」「虎」「鷹」などの図柄の紋付を、
女の子の場合は、
「綸子地」(りんずじ)や「縮緬地」(ちりめんじ)
花柄などをあしらった「友禅模様」の紋付が用いられます。
 
この祝い着は、白羽二重の内着を付けて、
お母さんの実家から贈るのがしきたりと言われています。
 
家紋は、「染め抜き日向五つ紋」(そめぬきひなたいつつもん)
または「三つ紋」として、
父方の家紋かまたは母方の家紋かどちらかの紋を入れます。
どちらにするのかについては諸説ありますが、
父方の家紋が多いようです。
 
また、最近では「祝い着」を用いずに、
外出用のベビー服や真っ白なベビードレスを着せた赤ちゃんを、
ケープやおくるみで包んで抱く、略式のケースも増えています。
 
古くからのしきたりを守ろうとし過ぎて、
真夏の猛暑日にお宮参りをするのに、
無理をして晴れ着を掛けている方もいますが、
赤ちゃんに負担をかけるくらいなら、晴れ着は不要です。
真夏なら、
風通しのよいベビードレスやカバーオールのみでもよいでしょう。
お宮参りは、本来、赤ちゃんの長寿・健康・幸福を祈る行事ですから、
赤ちゃんが快適に過ごせる、季節に合った服装を選びましょう。
 
また、晴れ着は
汗をかきやすい赤ちゃんには負担も大きいのですから、
自宅から晴れ着を掛けていったり、
外出している間ずっと晴れ着を掛けておかなくても構いません。
御祈祷中・写真撮影時のみで大丈夫です。
 
 

付き添いの服装

お宮参りに参加するに当たり、
赤ちゃんだけではなく、
両親や兄弟、おじいちゃんやおばあちゃんも、
どのような服装が相応しいのか迷われているのではないでしょうか。
基本的には、赤ちゃんの服装によって両親の服装が決まり、
両親の服装によって
兄弟や祖父母の服装が決まると考えておくとよいでしょう。
 
お宮参りの主役は赤ちゃんです。
両親・祖父母は赤ちゃんよりも目立つ格好は避けましょう。
赤ちゃんの兄・姉に限っては
赤ちゃんと同様に着飾っても問題はありません。
 
 

両親

お父さん
お父さんが和装にするケースは少ないものの、
古くからの服装のしきたりを重んじて、
黒・紺・グレーなどの着物・羽織の和装で参加する方もいます。
近年では父親は和装にせず、
黒のフォーマルスーツや、黒・紺などのビジネススーツで
参加するケースも増えています。
 
洋装の場合は、シャツは白色の無地、
ネクタイは無地か目立たない柄の白系かシルバー系にしましょう。
 
お母さん
和装の場合は、黒留袖、色留袖、色無地、訪問着などが
選ばれています。
特に、色留袖や訪問着が人気ですが、
色は主役である赤ちゃんよりも目立たないように、
淡いピンク、オレンジ、水色、黄色などを選ぶとよいでしょう。
洋装の場合は、
黒や紺などの目立たない色味のスーツかワンピースを着用しましょう。
神社では余り肌を露出しないよう、
丈の短いものや、胸の開いたデザインのものは避けた方が無難です。
 
 

赤ちゃんのお兄さん・お姉さん

七五三で着物を着る予定があり、既に購入してある場合は、
赤ちゃんが和装を着用するのであれば、着物を着てもよいでしょう。
但し、赤ちゃんが簡易的な装いの場合は、
無理に着物を着せる必要はありません。
 
幼稚園に通っている場合は幼稚園の制服でもよいですし、
白のポロシャツやワイシャツに、
黒や紺のスカートやパンツ(またはハーフパンツ)、
白や紺のソックス、きれいに磨いた黒の革やエナメルの靴を選べば、
赤ちゃんや両親の服装から浮くこともなく、マナーの範囲内でしょう。
 
 

祖父母

お宮参りで赤ちゃんを抱くのは、
父方のお祖母さんというしきたりがありますが、
近年ではその習慣も薄れており、
ただ単に孫の晴れ姿が見たいという理由で
父方・母方の双方が参加することもあります。
 
お祖父さん
お父さんが和装をすることが少ないのと同様、
お祖父さん和装をする方は多くはありません。
和装にする場合には、
父親同様、黒・紺などの着物に羽織を合わせましょう。
 
洋装の場合は、
黒のフォーマルスーツか黒・紺・グレーなどのビジネススーツが
多いようです。
 
但し、スーツを着こなすのが困難な健康状態である場合は、
ダークトーンのセーターにスラックスを合わせて、
ネクタイを締めるという服装でも構いません。
 
お祖母さん
和装にする場合は、
お母さん同様、黒留袖、色留袖や訪問着を選びましょう。
色合いも、淡い色を選ぶとよいでしょう。
また、無理に和装する必要はありません。
 
お母さんが洋装である場合は、
お祖母さんもまた洋装がおススメです。
洋装の場合はスーツ、ワンピースが無難ですが、
色合いはお祖父さんと合わせて
夫婦で調和のとれた色にするとよいでしょう。
 

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